外構デザインの重要性とは?外構デザインの例を通して見える良いデザインのポイントを解説!

外構デザインの重要性とは?

「外構」は、「エクステリア」とも呼びます。どちらも家主のもつ住居用土地のなかにある、「家以外の部分」を総称した呼び方です。

このふたつの呼び方の定義には、厳密に言えば違いがあります。簡単にいえば「エクステリア」という概念のなかの一部に、「外構」が位置しているといった形です。つまりデザインするうえでは、あまり変わらないともいえるでしょう。今回は家の土地のなかにある家以外の部分、「外構」に対するデザインの重要性を解説していきます。

「外構」と「エクステリア」は違うもの?

「外構」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。聞いたことがない、あるいは聞いたことがあってもあまり意識したことがない、そういう人が多いかもしれません。

住宅関連の用語で、「インテリア」という言葉は広く浸透しています。なにしろ住宅内の環境すべて、つまり「内装」や「家具」といった、生活に馴染みのある場所や物を総称する言葉です。ほぼすべての人に親しみがある、と言い切ってもよいほどの言葉となります。

家の内側を示す「インテリア」に対して、「エクステリア」は「家が建つ土地の範囲のなかで、家自体の外にある構成要素すべて」を意味します。具体的には家を囲っている「塀」や「フェンス」や「門扉」、「庭」「花壇」「植木」などを総称していう言葉です。これに反して「外構」とは、そうした総称に含まれる一つひとつの構造物、たとえば「門」や「カーボード」など人工の構造物を指すワードとなっています。

つまり正確にいうならこのふたつには違いがあるというよりは、「エクステリアという集合のなかに、外構という集合が構成要素の一種として入っている」、といった感じであるのです。エクステリアの一部が外構で、外構はエクステリアの一要素です。

外構デザインを大切にするべき理由

冒頭でエクステリアを構成する構造物として、「外構」を定義しました。外構はエクステリア全体のなかでも最も人の手が入れやすい場所であり、むしろ人が作っている構造物を指す言葉である以上、デザインを行う際に自由に手が入れられる場所であるといえるでしょう。

家というのは外構デザインの違いによって、住み心地が大きく変わります。これは外構デザインの種類をみるとわかる明らかな違いとなっていますが、あまりこうした外構を意識して家を作ろうという人はあまりいない、いても一定のセキュリティが必要な富裕層くらいではないでしょうか。

外構というのは、家の外観そのものを決めるといってよい場所であり、また外の世界との結びつきや隔絶具合を決めるのもまた外構の構造です。需要に応じて外構のデザインは自由に変更できますが、周りの環境にあわせてなんとなく決めてしまっている人が、多いのではないでしょうか。

外からみて家や庭が見通せる開放感のある家づくりが正義という人もいれば、逆に堅牢なセキュリティに守られ、家の外からなかをうかがいしれないような家づくりが正義という人もいることでしょう。つまり開放感たっぷり=快適性が高いわけではなく、人それぞれの快適性の定義によって、外構デザインには大きくこだわっていくべきといえるのです。

開放感がありご近所づきあいも大切にしたい方は「オープンタイプ」のデザインにしよう

外構デザインはその構造物の置き方や材質、設置面積などによってさまざまな種類にわかれます。まずは最も開放感のある、「オープンタイプ」をご紹介しましょう。

オープンタイプとは、「道路と敷地に仕切りを作らない」デザインです。フェンスや塀・門など、家と道路を隔てるものがないぶん非常に開放的であり、閉塞感も生まれにくいことでしょう。お隣さんとの間に仕切りがないためご近所コミュニケーションも円滑にいき、より親しみを感じられます。

ただしプライバシー面やセキュリティ面では、おおいに不安があります。仕切りがないぶん「ご近所の目」もあるため、すぐ隣に家が密集しているような住宅地であれば、逆にご近所さんがセキュリティとなってくれる場合もあるでしょう。しかしそれはご近所づきあいも希薄で、個々の世帯の生活時間もズレやすい都市部では、あまり有効とはいえません。

構造だけをみれば見知らぬ他人や不審者、窃盗犯などだれでも容易に敷地内に侵入できてしまいます。仮に道がわからない旅人が庭に気づかずに侵入してしまったとしたら、もしそこに悪意がなかったとしてもあまりよい気持ちにはならないことでしょう。場合によっては庭を荒らされたり、ゴミを捨てられたりすることもあります。

そこまでの開放感は必要ない場合は、「セミオープンタイプ」にしてみましょう。多くの家が採用しているデザインで、塀やフェンスなどシンプルな仕切りくらいは作っておきながら家自体は開放的なデザインなので、バランス感はピカイチです。

 高価な資産や盗まれて困るものを多く持つ人などは「クローズタイプ」にしよう

オープンタイプとは真逆に立派な塀や高いフェンス、セキュリティのしっかりした頑丈な門などで、敷地を取り囲む堅牢なデザインを「クローズタイプ」といいます。こちらは家の外となかを明確に区別した家の作り方で、プライバシーを重視したい方に向いています。外構だけでなく厚みのある頑強なコンクリートやレンガなどで家を覆うように建てられつつ、敷地内にも植物を生い茂らせるなど、住宅が外からあまりみえないようなデザインです。

こうしたデザインの場合は、開放感は上階部分のテラスや屋上のプールなどで補完するケースが多くなっています。基本的に不審者の侵入を許さない構造になっているので、ご近所さんの気軽な来訪もできない閉塞感や、近寄りがたさも感じさせてしまうことでしょう。しかし無駄な人付き合いを嫌うなら、そうした構造こそ快適な家づくりに必須になります。

このクローズタイプは富裕層に多く、防犯性をどうしても重視しないといけないことがその背景にあるのです。クローズタイプでは要塞のような作りになってしまうぶん閉塞感は否めませんが、それが好きな人はそれでよいことでしょう。もし開放感が欲しければカーポートを広く光が取り込めるような構造にするもよし、庭の一部に開放的なスペースを作るもよしとなります。さまざまな工夫をすれば、クローズタイプでも閉塞感で息がつまるようなことはなくなるでしょう。

まとめ

今回は外構デザインの重要性やデザインの違いによる生活感の違いを、詳しく解説していきました。家そのものの構造もこだわって作るべきですが、家そのものがせっかく快適なのに外構が開放的過ぎたり閉鎖的過ぎたりして、家の快適性を損なうことがあっては台無しです。

東京の設計事務所「サカイデザインネットワーク」では、「内側から外側へ」をコンセプトに、家の内側から外側に生活環境の快適性が広がっていくような家づくりにこだわっています。外構を開放的にしたい方も堅牢にしたい方も、家の快適さが生み出す安心感や安全性を大切に、自分にとってどういった家が心地よいのかを追求していきましょう。

弊社ではそのためのインテリアコーディネートを、積極的にご提案いたします。ぜひとも一度、お気軽にお問い合わせください。